2017年7月31日月曜日

侵害訴訟 特許権 平成29(ネ)10014と10015  知財高裁 控訴棄却

事件番号
事件名
 特許権侵害差止請求控訴事件
裁判年月日
 平成29年7月20日
裁判所名
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官    森   義 之       
裁判官       佐 藤 達 文      
裁判官        森 岡 礼 子    
 
事件番号
事件名
 特許権侵害差止請求控訴事件
裁判年月日
 平成29年7月20日
裁判所名
知的財産高等裁判所第2部
裁判長裁判官    森   義 之       
裁判官      片 岡 早 苗      
裁判官       古 庄   研 
 
「 7  小括
  以上判示したところを総合すると,本件発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,添加シュウ酸に限られ,解離シュウ酸を含まないものと解され,被控訴人各製品は,解離シュウ酸を含むものの,シュウ酸が添加されたものではないから,「緩衝剤」を含有するものとはいえず,構成要件B,F及びGの「緩衝剤」に係る構成を有しない。
 したがって,被控訴人各製品は,その余の構成要件について検討するまでもなく,本件発明及び本件訂正発明の技術的範囲に属しない。」
 
【コメント】
 例のオキサリプラチンの特許(特許第4430229号)の事件,アグレッシブな原告さんのやつです。
 面倒くさいので2つの事件をひとまとめにしました。
 だって,判決もコピペなのですもの。


 クレームはもういいでしょう。このブログの過去の記事(http://chizaihanketu.blogspot.jp/2016/12/2729001.html)を見てください。 
 
 ただし,今回の事件,原審では無効だという無効の抗弁成立により請求を棄却したのに対し(下記まとめのとおり,地裁46部がバツが悪かったので,クレーム解釈したくなかったのだと思います。),控訴審は,本件のデフォー通り,クレーム解釈をして,構成要件該当性なしと判断したのです。
 
 そう考えるにつけ,最初の1の判決は何と罪作りなものだろうか,という感慨を新たにしました。

 ということで,またまとめておきましょう。
 あと何件この関係事件を紹介するのだろうなあ。
1  平成27()12416   46部 被告1  差し止めのみ 請求認容 原告寄りクレーム解釈
2  平成27()28849  29部 被告12 差し止めのみ 請求棄却 被告寄りクレーム解釈
3  平成28()15355   29部 被告1  賠償請求のみ 請求棄却 被告寄りクレーム解釈
4  平成27()28468    40部 被告2  差し止めのみ 請求棄却 被告寄りクレーム解釈
5  平成27()12415    40部 被告3  差し止めのみ 請求棄却 被告寄りクレーム解釈
6  平成27()28699等 40部 被告4~6 差し止めのみ 請求棄却 被告寄りクレーム解釈
7  平成27()29001   47部 被告7  差し止めのみ 請求棄却 被告寄りクレーム解釈
8  平成27()29158    40部 被告8  差し止めのみ 請求棄却 被告寄りクレーム解釈
9  平成28()10031   知財高裁3部 被告1 請求棄却 被告寄りクレーム解釈  1の控訴審 
10  平成27()28467   46部 被告9  差し止めのみ 請求棄却 進歩性なし
11 平成27()28698  46部 被告10 差し止めのみ 請求棄却 進歩性なし
12 平成27()29159   46部 被告11 差し止めのみ 請求棄却 進歩性なし
13 平成27(行ケ)10167 知財高裁3部 不成立審決の取消し
14  平成28()10103   知財高裁2部 被告12 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  2の控訴審
15  平成28()10111   知財高裁2部 被告2 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  4の控訴審
16  平成29(ネ)10008 知財高裁2部 被告8 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  8の控訴審
17  平成29(ネ)10010 知財高裁2部 被告4~6 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  6の控訴審
18  平成29(ネ)10013 知財高裁4部 被告7 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  7の控訴審
19  平成29(ネ)10034 知財高裁4部 被告11 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  12の控訴審
20  平成28(ネ)10112 知財高裁3部 被告1 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  3の控訴審
21  平成28(ネ)10009等 知財高裁3部 被告3 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  5の控訴審
22  平成28(ネ)10014 知財高裁2部 被告9 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  10の控訴審
23  平成28(ネ)10015 知財高裁2部 被告10 控訴棄却 被告寄りクレーム解釈  11の控訴審